「ここがあなたの部屋よ、落ち着いたら一階に降りてきてちょうだいね。」スーツケースを一旦ベッドの上に置いて落ち着いた私は、長時間のフライト、そして緊張のピークを超えた後の疲労感でいっぱいでした。エメラルドグリーンに塗られた部屋の中で、白い窓枠に映るまだまだ明るいミシガンの夕方を見ながら、「私は今日から本当に1年間ここに住むのだ」と改めて決意した事を今でも覚えています。
留学に向けての努力
そもそも留学しようと思ったのは、学校の二週間のカナダ研修がきっかけでした。英語は得意教科だけれども同年代の異国人と生きた英語を話す機会のなかった私にとって、研修に参加した事はとても新鮮な経験で、自分に自信を与えてくれました。また、もっとこんな生きた英語を長期的に学びたいという強い意欲をかき立てられて、その後私は一生懸命勉強し、念願のYFUのアメリカ派遣プログラムに合格する事ができました。私は自分の留学生活を充実させるため、自分なりに目標を立て、新しい事に積極的に挑戦していく事を決意しました。
チアの仲間とホストファミリーの支え
私のホストファミリーは50代のパパとママ、犬一匹と猫二匹でした。ホスト兄弟が全員独立しており、そこでは一人っ子状態だった私は、自分の時間をもっと充実させる為に様々なアクティビティに力を注ぎました。特に刺激となったのはアメリカならではのチアリーディングに初めて挑戦した事です。日本では本格的にスポーツを全くしたことがなく、周りの人が言う事もわからないことが多かった私は遅れをとらないよう、チアに一生懸命に打ち込みました。放課後は練習が始まるまで、チアの友達と宿題をしたりお菓子を食べたりしました。そんな時間を過ごすうち、語学やコミュニケーション力もだんだんとついてきて、不安だったアメリカでの生活も楽しくなってきました。
しかし5ヶ月くらい経ったある日、私の英語力の拙さのせいで友達との間に誤解が生じ、気まずくなってしまいました。その頃成績が落ちていた事も重なって自分に自信をなくしてしまいました。また、チアでもメインのメンバーから外されてしまいました。辛くてどうしようもなくなってしまったときに支えてくれたのは、ホストマザーでした。「何を焦っているの。ゆっくり時間をかけて解決していったら良いのよ。」音楽が大好きで明るいアメリカ人のママは、ハグしてくれ、今までの私のカルチャーショックや言語力の無さの悩みを全て聞いてくれました。その後私はママの支えもあり、勉強面でも、英語面でも、友達面でも、チアでもよりいっそうの努力をしました。チアでは再びメインのメンバーに戻る事ができ、開脚ジャンプはチームで一番だとコーチにほめられるまでになりました。留学の後半は、ホストファミリーや友達との時間を大切にしながらとても良い経験と思い出を増やす事ができました。
さまざまなことに挑戦し自分に自信がついた
「振り返らないで。」「またね。」ホストファミリーは、決してさよならとは言わずに私を見送りました。帰りの飛行機から見るミシガンは、故郷を見るようでした。今回留学を終えて、様々な事に挑戦した事で自信がついたと改めて実感しました。この経験は将来どのような事をするにしても活きてくるだろうし、人生の中で一番内容の濃い最高の1年だったと感じます。このような最高の1年を支えてくれた日米の両親、YFU関係者のみなさま、応援してくださったみなさまに感謝申し上げます。本当にありがとうございました。