体験談
Experience report

神本 愛莉

 留学先をドイツに決めたのは、ただ単に他の人と違うことをしたかったからです。留学といえば英語圏ですが、私はあえてあまり留学先としてはメジャーでないドイツに行くことにしました。留学に行けることが決まった時は、本当にうれしかったです。留学といえばイメージが膨らむと思います。新しい環境、新しい出会い、そして別れ。わたしも留学に行く前まで毎日期待を胸に抱いていました。
海外旅行は何度かしたことはありましたが、ヨーロッパはまだ未知の国。空港に降り立った瞬間は今でも忘れることが出来ません。日本とはまったく違うからっとした空気に驚き、建物や周囲の雰囲気がまるで違うことに本当に感動しました。ドイツはまったく日本と違うのだなと思い、自分は本当にヨーロッパに来たのだとつくづく実感しました。

ホストファミリーの存在の大きさ

 ドイツではもちろんドイツ語を話します。英語とは違って文法もかなり複雑です。最初のうちはまったく何を言っているのかもわからず、自分が言いたいことも言えませんでした。学校にも行きたくないと思う日もありました。そんな時に助けてくれたのが学校の友達、近所の知り合い、そして何よりもホストファミリーでした。ホストファミリーほど留学中にお世話になった人はいません。いつもわたしを優しく見守り支え続けてくれていました。ドイツ語がわからないと相談すると、近所の知り合いの子どもが使っている小学生用のドイツ語の教科書を持ってきて一緒に勉強してくれました。ホストファミリーの存在は偉大で、なにか勇気を与えてくれます。いつもそばにいて、わたしを励まし応援してくれているという安心感に浸ることが出来たのは、留学中でわたしの一番のエネルギー源だったのかもしれません。

ボーダレスな優しさ

 異国で生活していて思ったことは、人間は案外優しい動物なのだ、ということです。道を尋ねるとほとんどの人は立ち止まってくれて行き方を教えてくれます。言葉がつたないわたしのために一緒に目的地まで連れて行ってくれた人もいました。宿題に困れば学校の友達がわざわざ英語に訳してくれ、一対一でずっと勉強を教えてくれます。わたしが助けてほしいと相手に伝えて断られたことは一度もありませんでした。赤の他人でも勇気を出して声をかけてみると、会話をしているうちに意外に自分と似ているところがあると気付くかもしれません。人種は違っても、心は同じなのだと改めて実感しました。優しさや思いやりはボーダーレスなのです。
 最後に、留学する前とした後では自分の世界は変わります。視野がぐっと拡大されて様々なものにより興味をそそられます。留学で得たものは計り知れません。
わたしをいつも支えてくださる人には感謝の気持ちでいっぱいです。ドイツでの経験はわたしの宝物です。
そしてこの留学でよりドイツが大好きになりました。本当にありがとうございました。